日本の暮らしのなかで、トイレほど劇的に変化した空間も、他にないのではないでしょうか?
いまやトイレは、独立したひとつの空間として確立されていますが
そのきっかけの一つとなったのには、温水洗浄便座の存在が大きいといえるかもしれません。
温水洗浄便座は、洋式トイレの普及がなければ発展し得なかった設備器具です。
もともとはアメリカからやってきたものですが、ここ日本において独自の進化を遂げています。
日本に来たはじめのころは、おもに障害者や病院での局部疾患
手術後、産後の方のための医療福祉機器で、機能は洗浄と乾燥のみでした。
価格も当時の平均月収より高い高級品で、一般にはほとんど知られていなかったようです。
高級品で品質的にも安定しなかった温水洗浄便座でしたが
国内メーカーの研究開発によってできたのがTOTOの「ウォシュレット」です。
1982年、話題のタレント戸川純さんを起用した「ウォシュレット」のCMは
「お尻だって洗ってほしい」という強烈なキャッチコピーで
賛否両論ありつつも一般家庭でも認知され、急速に普及するようになりました。
いまでは、手元操作が可能で、省エネ、節水、洗い心地のよさなど
さまざまな機能を追求した製品が取り揃えられています。
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